座間味島周辺の海には、主に、アオウミガメ、タイマイ、アカウミガメの
3種類のウミガメが生息しています。
阿真ビーチに海草を食べにくるアオウミガメを中心に、
島周辺のウミガメの観察を続けています。
日本初確認!産卵の旅、なんと500km
交尾中のアカウミガメ(左がオス、右がメス)2008年3月25日、ケラマ南方海域(白岩沖)で、うみまーるによって交尾が撮影されたアカウミガメのメスが、その44日後の5月8日に、ケラマから500km以上離れた屋久島で産卵していたことがわかりました。
メスの左前脚に黄色のタグが
52818の数字
メスの左前脚に付いていた標識番号「52818」を、NPO法人『日本ウミガメ協議会』に照会してもらったところ、屋久島の永田前浜での産卵が記録されていたのです。今まで、交尾は産卵場所の近くで行うと考えられていたため、交尾後に500kmもの旅が確認されたのは、初めてのことです。
まだまだ謎の多いウミガメの生態ですが、その生活圏のスケールの大きさが垣間見られたのでした。
日本初記録!流れ藻で成長するアオウミガメの子ども
2009年6月8日、ケラマ西方海域の潮目の流れ藻で、うみまーるによって撮影されたアオウミガメの子どもが日本初記録となりました。『日本ウミガメ協議会』によると、孵化後数cmから甲長35cmの間の野生のアオウミガメは、日本では記録されていないとのこと。この子ガメは、目測で甲長20cm。アオウミガメは孵化して海に旅立った後、ビーチなど浅瀬の藻場沿岸に居着くまでの生活が謎に包まれていましたが、流れ藻で成長することが確認できました。初めは前後の脚をダラリと伸ばし、頭を藻につっこんでいたので、死んでいるようにも見えましたが、しばらくすると、おもむろに頭を上げて、プハッと息継ぎをしたので、生きていることを確認。ひなたぼっこをしながらプカプカと昼寝をしていた様子で、背中には小さなコバンザメも一緒です。
子ガメは、浮遊生活をしている時、外敵から身を守るため、ウミガメと分からないように、背中に前脚を乗せてシルエットを丸く見せるポーズをよくすると言われていますが、この子ガメはそのポーズはとらず、水中から見てもウミガメのシルエットは丸見え。なんとものんびり屋さんです。小さなコバンザメも一緒
甲羅や脚の白い縁取りが幼さ残すそのうち、こちらに気づくと、子ガメは後脚でモゾモゾそろそろとバックして流れ藻から降り、水中に入ったとたん力強く潜り始め、あっという間に見えなくなりました。その時の透明度から考えても、水深30mくらいは軽く潜っていけるようです。内海に定着していない子ガメのうちは、潜るのがあまり上手くないと言われていますが、すでにこの大きさで高い潜水能力を備えていることも分かりました。
また、2011年4月13日には、同じ海域の流れ藻で、
甲長30cmのアオウミガメの子どもに会いました。
2012.06.04
阿真ビーチで、砂浜の前面に進出して来たモクマオウを駆除した場所に、アオウミガメが産卵。台風3号が通過する中、がんばって産んだようです。
2012.08.09
台風11号が過ぎ去った夜、阿真ビーチのアオウミガメの産卵巣から、子ガメたちが無事、海へ旅立って行きました(66日目)。